地形測量では、縮尺が概ね1/50,000より大縮尺の地形図や平面図を作成することを目的として、地形図に表現する土地の標高および起伏、建物・道路・鉄道その他の工作物の配置、土地利用の状況などを測量します。地形測量は、基準点測量で位置が定められた基準点を基にして行われる細部測量に該当します。ただし、地形測量を一つの全体的な測量と考え、それを基準点測量と細部測量に分けることもあります。
空中写真測量が普及するまでの地形図は平板測量によって作成されていました。その後、トータルステーションが普及するまでの間は、空中写真測量と平板測量によって行われていました。航空機の撮影高度を下げるには限度があり、写真測量では大縮尺の地形図作成が困難であったため、1/250~1/500以下の小縮尺の地形図は空中写真測量によって、それ以上の大縮尺の地形図は平板測量によって作成されるのが一般的でした。
現在では、平板測量で地形測量が行われることはほとんどなくなりました。写真測量も空中写真測量だけでなく、衛星画像を用いた衛星写真測量や地上で撮影された写真を用いた近接写真測量が行われることもあります。さらに、トータルステーションによる測量、航空機搭載あるいは地上設置のレーザスキャナによる測量やGNSSによる測量(衛星測位)によって地形図が作成されることもあります。また、複数の測量方法を組み合わせて地形測量を行うことがよくあります。
(2015年11月18日 初稿)