未曾有の被害を出した東日本大震災において、GIST(地理空間情報技術)は、復興を支援するツールとして、様々なシーンで使われています。
まず、復興において重要なことは、家を失った被災者の方々が、極力速やかに新しい住まいで安心して暮らせること。そのためには、GISTを駆使し、津波や土砂災害の不安がない場所を調査・選定、測量・整地し、速やかにまちをつくることが求められます。例えば気仙沼では、地区ごとに集団防災移転を実施、以前のコミュニティをすばやくそのまま移転させています。
さらに、GISTは復興を妨げる要因を排除することにも使用されます。例えば被災して危険なまま放置されている場所の調査と対策立案、膨大な災害廃棄物処理の計画立案・実施、除染計画の立案、地盤沈下・隆起などの状況把握と対策立案などです。また、崩壊した防潮堤や水門の再建にも活用されます。
ついで重要なことは、まちの再編にともない、災害前よりも強靭で安心・安全な都市計画を立案することです。新しいまちづくりには、集落の場所、商業集積の場所、道路の路線、避難施設など、都市機能の再デザインが必要です。そのためには、計画立案、関係各省の許認可など、膨大な作業が発生します。こうした諸作業を一元管理し、より住民のニーズに合う都市計画を行うのにはGISTが不可欠です。これらのデータは様々な形に加工され、計画だけでなく、工事や監理、住民の合意形成においても使われます。
そして、コミュニティとしての活力を回復させることも、復興まちづくりの重要なポイントです。場所に紐付いた情報を管理するGISTは、地域特性を把握し、そのポテンシャルを最大限に活かすアイデアを出すために、非常に重要です。
災害に強いまちづくりによる復興支援
1. 防災対策
3次元データ計測
各種シミュレーション、海洋短波レーダー
防災情報伝達システム、防災教育
砂防情報管理システム、斜面監視
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2. 被災直後
航空写真等の撮影、写真判読・画像解析
津波痕跡調査、津波解析シミュレーション
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3. 復旧
道路・港湾施設の調査、設計
被災地における現況調査、復興パターン検討
災害復興計画基図の作成
災害廃棄物調査、処理計画策定
道路・港湾施設などの調査、設計
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4. 復興
道路・橋梁・港湾などの調査・設計
液状化対策・斜面保全対策
放射線量測定・除染計画策定
再生可能エネルギー導入に向けた調査・計画・建設
産業復興(被災者などの雇用創出)