写真判読

写真判読とは、写真に写っている物体の色調や形状,陰影などを手がかりとして定性的な分析を行い、その物体の定性的な情報を取得した後、得られた物体の特徴から、地形や地質,植生等の情報を取得する技術です。写真判読は多くの場合、飛行機や人工衛星から撮影した写真を使用し、空中写真判読とも呼ばれます。

空中写真判読では、隣り合う写真を60%以上重複させて撮影した空中写真を使用することがあります。隣り合う空中写真を6~7cm位離して平行に並べ、右眼で右の写真、左眼で左の写真を見ることにより、画像が重複され立体的に見えてきます。これを実体視(立体視とも呼ばれることもある)といいます。
実体視では、写真本来の持つ形状、色調、陰影の情報に加え、山や建物は浮き出て見え、谷や河川などは沈んで見えるなどの高低差や勾配の三次元的情報により、1枚の写真を見る事と比較しても何倍もの情報量が表現され、いろいろな調査に効果的となります。

写真判読の技術は、以下のようなところで用いられています。
① 地図の作成
道路や河川、建物などの地形・地物を判読し地図に書き入れます。国土地理院や自治体が作成する地形図は、多くの場合で写真判読の技術が用いられています。
② 土地利用の調査
都市の商業・工業などの機能区分、農地の利用区分、林地の植生区分などを分類する土地利用調査において、空中写真判読の技術を用いることがあります。
③ 被災状況調査
日本は地震、火山、台風など多くの自然災害に見舞われます。このような災害発生時に撮影した写真を使用して、空中写真判読により被災状況を把握することがあります。

(2019年05月15日 更新)
(2015年01月19日 初稿)

English

Photo Interpretation

定義

写真判読とは、航空機や人工衛星から撮影した写真を用いて、そこに写っている地形、地質、植生等の定性的な情報を判読する技術です。