航空写真は上空から撮影されており地上の状態を忠実に再現するため、写真判読をすることで、地図作成だけでなく地形分類、土地利用分類、環境調査など幅広く利用されています。最近では、Web上で一般ユーザーが簡単に航空写真を利用することが可能となっています。隣り合う重複した航空写真を用いて立体的に写真をみることが可能です。
航空写真の撮影は主に小型飛行機が使用され、低空での撮影が必要な場合や一ヶ所に停止(ホバリング)する必要がある場合にヘリコプターが使用されます。公共事業における航空写真撮影は航空機やヘリコプターが時速250km程度の巡航速度で、300mから3,000m程度の高さから撮影します。撮影時は測量用の航空アナログカメラあるいは航空デジタルカメラを使用して、地上解像度が数cmから数十cmとなるように鉛直写真を撮影します。航空写真を撮影するときには、大気の状態、煙霧や霞、雲及び雲影、影およびハレーションなど気象条件に注意をすることが必要です。
航空写真の歴史は1900年ごろから始まり、日本では陸地測量部が1930年の関東大震災の際に東京全域を撮影しました。戦後は国土復興に必要な航空写真が多数撮影されました。21世紀になってからは航空デジタルカメラでの撮影が行われています。現在、国土地理院が主に平野部を5~10年周期で撮影しており、山間部は林野庁と各県の林務課が5年周期で撮影しています。
(2015年11月18日 初稿)