光を用いた測量の基本は、光レーダ法(LiDAR)による測距です。レーザ光(laser)は単色光で位相が揃っているばかりでなく、指向性が非常によいという特徴があるため、光波を用いた測距の光源としては、ほとんどの場合、近赤外域もしくは可視域のレーザ光が用いられています。
通常レーザ測量と呼ばれているのは、レーザスキャナによって取得される点群データを用いて行う地形測量のことです。レーザスキャナは、レーザ光の照射方向を変化させて対象物を走査することにより、対象物の位置(3次元座標)と対象物からの反射光の強度を取得します。航空機やMMSなどの移動体に搭載されたレーザスキャナのほとんどは、飛行時間法によって対象物の位置を計測します。地上に設置されたレーザスキャナには、飛行時間法により計測する機種と位相差法により計測する機種があり、後者では高精度で位置が計測できます。
レーザスキャナによって取得された点群データに対し、建物や植生など地表面以外のデータを取り除くフィルタリング処理を施し、地形を抽出します。さらに、点群データを3次元表示することにより地物の判読を行います。カメラで撮影された画像とは異なり、レーザスキャナで取得された点群データは離散的に分布するため、点の密度が低いと地形図の作成は難しくなります。また、ほとんどのレーザスキャナは近赤外域のレーザ光を用いているため、取得された点群データを画像化したものの濃淡は、通常の写真の濃淡とは若干異なります。このため、地物の種類によっては判読がやや難しくなります。
(2015年11月18日 初稿)