空中写真測量や近接写真測量を行うときには、撮影時のカメラの位置と傾きを求める必要があり、これを外部標定といいます。標定点測量は、この外部標定に用いる標定点に位置を与える測量のことです。
標定点の要件は、写真上で明瞭かつピンポイントに視認でき、位置が分かっていることです。
このため標定点の設定では、三角点や基準点など位置が分かっている地点に標識を置き、写真に明瞭に写るようにします。あるいは逆に、写真上で明瞭に見える道路の白線や構造物の角など、ピンポイントに特定できる地点に位置を与えます。
標定点測量は、後者の場合に実施するものです。
測量方法は、基準点測量に準じて行われます。ただし、基準点とは違って、標定点は外部標定以外に利用されないため、標定点間の視通などは不要です。このため利便性と効率性を重視し、視通不要ながら水平位置と標高を同時に得られるGNSS測量で行う場合が多くなっています。
地形図を作成する場合、標定点測量に要求される精度は縮尺(地図情報レベル)により異なります。公共測量の場合、縮尺1/2,500~1/5,000では水平位置と標高の精度がともに20cm以内、縮尺1/1,000以上では10cm以内など、縮尺により定められています。
ここで、基準点測量と標定点測量では、求められる標高精度が異なるため、注意が必要です。例えば、縮尺1/1,000以上の地形図作成において、基準点測量の標高精度は20cm以内ですが、他方、標定点測量の標高精度は10cm以内と定められ、より高い精度が求められます。
また、標定点測量では、水平位置と標高を別々の方法で測量することができます。例えば、水平位置はネットワーク型RTK法の単点観測法で測り、標高は簡易水準測量で測ることが可能です。
参考文献
「作業規定の準則」一部改正 令和2年3月31日 国土交通省告示第461号
(2020年10月09日 更新)
(2015年11月18日 初稿)