RTK-GNSS測量は、2台のGNSS測量機で同時に観測を行う必要があります。1台は固定局として座標値の分かっている点に設置し、もう1台は移動局として位置を知りたい点に設置します。固定局の観測データや位置情報を移動局に転送し解析処理することで、移動局の位置を決定します。転送は無線や携帯電話で行います。転送やデータ処理に若干時間がかかるため、1秒程度のタイムラグが生じますが、ほぼリアルタイムに測量を行うことができます。
特徴には、①ほぼリアルタイム測位、②特別な技術・技能は不要、③ほぼ天候に左右されない、④移動体での利用、⑤固定局からの通信が必要、⑥GNSS電波信号受信可の環境が必要、があり特に、①~④はこれまでに無い特徴のため注目され、様々な分野で利用されるようになっています。
利用対象は、国、県、市町村などの公共団体が行う精度の確保が必要な公共測量や、効率性や安全性を重視する工事分野、農業分野など、広い分野にわたります。公共測量では、基準点測量、地形測量、路線測量、横断測量などに利用することができます。ただし、利用条件・制限がありますので、国土交通省の【作業規程の準則】に則って利用する必要があります。工事分野では、重機の無人運転に用いられています。雲仙普賢岳の噴火後の土石流対策工で、危険予防として重機の無人運転に利用されたのがそのきっかけです。また、農業作業での無人化・省力化などにも利用されています。
(2015年11月16日 初稿)