土石流は、山地の斜面や川底の土砂・石が、集中豪雨や長雨などによって、水と一体となって一気に押し流されるものをいい、集落や田畑に壊滅的な被害を与えます。
土石流対策は土石流による被害から国民の生命・財産、公共施設等を守るため、国や都道府県等によって実施される対策で、砂防堰堤等の対策施設で防護するハード対策、警戒避難体制の構築等により被害を軽減するソフト対策に大別されます。
ハード対策は土石流の発生が予測される山地(渓流)に砂防堰堤、山腹工等を設置し土石流の発生を抑制する対策や、流下が予測される渓流に砂防堰堤、土石流堆積工等を設置し土石流の捕捉や勢いを弱める対策等があります。国土交通省では対策施設の計画・設計を行う上で必要となる技術的事項を「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)」、「土石流・流木対策設計技術指針」として平成19年3月にとりまとめて公表しています。平成28年4月には一部改定がなされています。
ソフト対策には、大雨により土砂災害発生の危険度が高まった市町村を特定し、都道府県と気象台が共同で発表する土砂災害警戒情報(市町村長による避難勧告等の発令への参考情報等)、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定による警戒避難体制の整備(ハザードマップの作成等)や一定の開発行為の制限等があります。
(2016年10月21日 初稿)