測位とは、空間における物体や事象の位置を測って決定することをいいます。移動体の場合には、位置およびその位置が測られた時刻を決定することをいい、これらに関連付けられた経路の取得を含めることもあります。
移動体が外部からの情報を用いずに自己の位置を測る自律測位と、移動体の位置を外部から測る他律測位に分類できます。
前者は、ジャイロ、地磁気センサ、加速度計などを用いて、3次元の角速度と加速度を測って、移動量を算出することで位置を決定します。
後者は、電波・光・超音波などを媒体として、外部の測位設備と移動体の間の到達時間差・信号強度などを測り、位置を決定します。
衛星測位、無線LAN測位、可視光通信による測位、電子タグを利用した測位などがあります。
測位は、多くの応用分野で用いられています。
実用的には、応用の求められる測位の条件や信頼性向上のために、複数の測位方法を組み合わせることもあります。
カーナビゲーションでは、基本的には衛星測位で自分の車の位置を求めますが、トンネル内などの衛星電波の届きにくい場所で自律測位が組み合わされています。
スマートフォンでは、屋外では主に衛星測位と携帯電話の電波を用いた測位の組合せを、屋内では主に無線LAN測位が用いられます。
ICカード乗車券では、カードに埋め込まれた電子タグを用いて、通過情報を取得し、利用者の入出場管理が行われています。
測位の高度化は、災害時の避難行動の支援、児童・高齢者の見守り、屋内外のシームレスなナビゲーション、位置連動型広告など、国民生活の向上および経済発展に大きく寄与することが期待されています。
(2015年01月16日 初稿)