日本国内においては、昭和3年(1928年)に当時の内務省の外郭団体であった社団法人道路改良会(現:公益社団法人日本道路協会)が「全国交通調査」として交通量調査および道路交通状況調査が開始され、その後、旅行速度調査、自動車起終点調査が追加され、昭和55年(1980年)に当時の建設省(現:国土交通省)道路局が主体に行う「道路交通センサス」として引き継がれた際に現在の調査体系が確立し、概ね5年ごとに実施されています。
平成22年度の調査では、表1に示す内容の調査が実施されています。
調査種別 | 調査名称 | 調査内容 |
---|---|---|
一般交通量調査 | 道路状況調査 | 中央分離帯、異常気象時通行規制、付加車線・登坂車線の設置状況 |
交通量調査 | 道路上の調査地点を通過する自動車の車種、時間帯、方向別の台数の調査 | |
旅行速度調査 | 調査区間の通貨所要時間を計測し、道路を走行する自動車の平均速度=旅行速度の調査 | |
自動車起終点調査(OD調査) | オーナーインタビューOD調査 | 車の使用者および所有者に対して、車の1日の動き(利用目的、目的地、駐車場所等) |
高速OD調査 | 高速道路を利用した1トリップの移動の調査 |
なお、道路交通センサスは、時代とともに調査年度の社会情勢に応じて調査内容および調査手法を変更して実施されており、平成22年度からITS技術の普及進展に伴う交通計測(交通量常時観測装置、車両感知器等)への機械式調査の導入に対応するため車種区分は、4車種(乗用車、小型貨物車、バス、大型貨物車)から2車種(小型車、大型車)に簡素化されています。
同様に旅行速度調査もプローブ・カー・システムの走行データを活用により非混雑時の旅行速度調査の効率化を図り、道路状況調査も道路管理者=各自治体の任意の調査に代わっています。
また、OD調査では、オーナーインタビューOD調査は「訪問配布・訪問回収方式」に「郵送配布・郵送回収方式」を追加し、高速OD調査は、WEBによるアンケート調査の他にETC(自動料金収受システム)の利用情報を追加して効率化を行っています。
なお、道路交通センサスの調査結果は、一部が公表されており、道路整備事業および道路管理業務に利用する以外にも、カーナビゲーションシステム用のデータベースの一部として利用されたり、マーケティング分野における統計データとしても活用されています。
参考文献
国土交通省ホームページの道路交通センサスの用語説明より引用:
(2016年11月11日 初稿)