交通量調査とは、道路の直線部や交差点などを通過する車両や歩行者等の数(交通量)を観測し、道路の利用状況や交通の流れの現状を把握するものです。
調査方法としては、人手で行うもの(人手観測)と機械で行うもの(機械観測)があります。人手による観測は、観測位置を通過する車両や歩行者等の数を目視で捉え、カウンタと呼ばれる数取器で方向別、車種別、時間別等に記録します。機械による観測の場合は、磁気センサー等を活用した観測用の装置(トラフィックカウンタ)を用いて行います。機械観測は、連続日観測など長期間の観測にはコスト面等で有効ですが、車両の進行方向が判断できないため、直線部での調査に用いるなど、目的や場所によって使い分けが必要になります。
交通量調査の代表的な具体例としては、国土交通省が実施している「全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)」があります。これは、全国の道路交通の現況と問題点を把握し、将来にわたる道路の整備計画を策定するための基礎資料を得ることを目的として、交通量調査を含め、道路交通に係わる様々な調査について、昭和3年度以降全国的な規模で実施しているものです。
交通量調査の結果は、道路整備が交通に与える影響や効果の分析、道路交通に係わる諸問題(交通渋滞、交通事故等)の解決に向けた対策検討等における重要な基礎データとして活用されています。また、VICS(Vehicle Information and Communication System)など、現在の交通量等の道路交通情報をリアルタイムにドライバーに送信するシステムも開発されており、渋滞回避等にも活用されています。
(2015年01月14日 初稿)