データベース

データベースは基本的にデータの集合であり、これを管理し利用に供するためのソフトウェアは、データベース管理システム (database management system, DBMS) と呼びます。また、データ群とDBMSを一体と捉えてデータベースシステム (database system, DBS) と呼びます。しかしデータベースという用語は、データベースシステムやDBMSのことを指すのに用いられることもあるので、注意が求められます[1]。

データベースと対比される用語としてファイルがあります。一般的に、コンピュータの二次記憶装置に格納されているデータの集まり(データセット (data set))はファイルと言われますが、データの入出力に用いられるデータセットは多くの場合ファイルと言えます。ファイルを操作する場合、アプリケーションプログラマーは、アプリケーションの開発において、データ格納やアクセスの方法、データの構造、データ同士の整合性、そして処理中に発生した障害への対策などを理解している必要があります。

一方、データベースシステムには、以下のようなメリットがあるとされています。
1.データをアプリケーションとは独立した資源として管理することによって、多目的利用が可能になる。
2.関連するデータを統合することにより、無用な重複や不整合を防げる。
3.データの意味やその相互関係を把握しやすくなる。
4.データの表現法やその管理方法が標準化しやすくなる。

さて、DBMSは、データベースを、いろいろなアプリケーションから統一的に利用可能とするための、対象データとそれに対する操作を規定した共通の枠組みを提供していますが、これはデータモデル (data model) と言われます。データモデルを用いることにより、データの物理的な格納形態やデータ操作手順の詳細に関与することなしに、論理的なレベルでデータ記述や操作が可能になります。

代表的なデータモデルとしてリレーションスキーマ (relation schema) があります。このモデルを使ったデータベースはリレーショナルデータベース (relational database, RDB) と言われます。

[参考文献]
[1] 北川博之・石川佳治編著、データベースシステム(改定2版)、オーム社、2020、pp.1-5

(2021年01月25日 初稿)

English

database

定義

データベース (database) とは、複数の応用目的での共有を意図して組織的かつ永続的に格納されたデータ群[1]のことです。