統計データとは、一定集団について調査すべき事項を定め、その集団の性質・傾向を数量的に表したデータですが、日本における社会や経済の実態を把握するために官公庁では、定期的に日本全国を調査対象とした統計調査を行っていて、その結果は公表されています。
主な統計調査には表1に示すようなものがあります。
統計調査名 | 官公庁 | 調査の概要 |
国勢調査 | 総務省 | 日本全国と地域別の人口・世帯とその内訳を5年ごとに調査しています。 |
商業統計 | 経済産業省 | 日本全国と地域別の商業の従業者数、販売額などを定期的に調査しています。 |
農林業センサス | 農林水産省 | 日本全国と地域別の農林漁業の就業、生産、販売状況を5年ごとに調査しています。 |
経済センサス | 総務省 | 日本全国の産業別の事業所数・従業者数・産業構造を2009年から調査しています。 |
交通センサス | 国土交通省 | 全国の主要道路で車両・歩行者の種別と通行量を5年ごとに調査しています。 |
例えば、気象観測データも統計データのひとつであり、全国に設置された気象観測所の気温・風速・風向きなどのデータが天気予報に利用されています。
自治体では、過去の気象観測データを利用して地域ごとの災害履歴との関連性を分析することで、防災計画の立案に役立てています。
また、民間企業の中には気象観測データを利用して季節ごとの寒暖の傾向を分析することで販売する商品・サービスの種類や数量を予測して、より効果的に提供するために利用している企業もあります。
また、最近では、携帯電話やスマートフォン、カーナビなどのGPS機能から取得された膨大な移動体の位置データを統計データとして利用することで、「いつ、どこに、どれくらい」の人が集まっているかという分析をすることも可能になります。
更に、この位置データを空間情報と組み合わせることで、自動車の自動操縦システム、リアルタイム広告などの新たな分野で活用することが研究・開発されており、その実用が期待されています。
(2015年02月12日 初稿)