日本は世界でも災害の多い国です。発災状況の正確な把握、地理空間情報技術を用いた解析・分析、復興支援、防災計画の策定、平時の備え、市民への情報提供といった災害に関するノウハウは、日本のみならず世界でも必要とされています。
災害による被害を最小限に抑えるには、迅速で高精度な被災状況の把握が必要です。地震、津波、火山噴火、洪水、土石流や地すべりなどの災害が起こった場合、衛星、航空機、UAV(無人飛行機) などに搭載した各種レーダや高精細カメラを通し、短時間で広域かつ詳細に被災情報を取得します。また、取得データを分析し、 津波の到達地点、構造物の破壊状況など、さらに高度な情報の提供を行う必要があります。
防災・減災の実現には、現状を正確に理解したうえでの被害想定・対策が必要です。被害前の状況、発災直後の状況を正しく比較・ 分析し、シミュレーションによる「見える化」を行い、適切な対策立案を要します。シミュレーション は地震・津波・高潮・地すべり・土石流など多岐にわたり、地震および津波への対策など、 産官学それぞれのスペシャリストによる技術連携も活発に行われています。 被災地の復興には、妨げになる災害廃棄物の質と量など、多くの情報の「見える化」が重要です。また、災害シミュレーション、 集団移転で必要となる適地選定向けのデータなどをもとに、まちの再建計画の立案が求められます。