一般に、地下水が増えることにより移動する、ないし移動が活発化します。地下水は、大雨や雪解けで地下に水が沁み込む時期に増えますので、これらの時期には注意が必要です。
人家や農地などへの影響が大きな地すべりについては、国土交通省や農林水産省が法律で指定して順次対策を行っています。法律で指定された地すべり区域について、看板が立てられています。日本国内には法律で指定された地すべり区域だけでも2万箇所以上ありますが、動かないように対策されている箇所はこのうち四分の一程度です。
航空写真を判読することにより、移動する可能性がある区域を抽出して地すべりを予測することができます。また、地面に細い穴を空けて地下を調査できるボーリングにより、地すべり面の深さを調査することができます。地すべり面の深さを特定することにより、後述する対策工の計画を立てることができます。
対策としては、地すべりを止めるための抑止工と地すべりの要因を取り除く抑制工があります。抑止工には、地すべり面の上下を杭やアンカー等を挿入することで固定させる方法があります。抑制工には、地すべりを押す斜面の上部を取り除く排土工や、地すべり下端が動きにくい様に抑える盛土工、要因となる地下水を減らす地下水排除工などがあります。
参考文献
国土交通省 Webサイト
一般社団法人 斜面防災対策技術協会 Webサイト
(2016年10月17日 初稿)