空中写真測量

写真測量を、利用する写真を撮影した場所によって、空中写真測量と地上写真測量に分けることがあります。空中から撮影された写真を用いて行う空中写真測量は、そのほとんどが地形図を作成するためのものです。写真測量といえば空中写真測量を指すほどに広く利用されています。

地形図を作成することを目的とする空中写真測量の作業は、大きく、写真撮影、標定図化編集の3つのステップに分けられます。
① 写真撮影
まず、作成する地形図の仕様に基づいて、撮影計画を立案します。立案された撮影計画に従って、航空アナログカメラあるいは航空デジタルカメラでほぼ鉛直に地表を撮影します。標定に用いる標定点が航空写真に写るように、対空標識と呼ばれる目印を設置することを、撮影前に行うこともあります。また、標定点の位置を求める標定点測量を行うこともあります。
標定
図化で必要となる各写真の撮影位置と撮影方向を、空中三角測量により求めます。このとき、標定点測量で求められた標定点の位置を用います。
図化編集
ステレオペア写真を図化機にセットし、構築される立体モデルを観測して地形や地物を判読し、地図に書き入れます。図化では作成できない行政界や注記(地名や地物の名称)等のデータは編集段階で書き込まれます。他のものの陰になって写真に写っていないものや写真上で判読困難なものに関する情報を現地調査で入手し、地図に書き込むことも行われます。

地形図を作成するための空中写真測量の作業手順はほぼ確立されています。各工程で用いる機器や作業方法については標準的なものが定められています。

(2015年11月18日 初稿)

English

Arial photogrammetry

定義

航空機などに搭載されたカメラを用いて空中から撮影された写真を用いた写真測量を空中写真測量といいます。航空写真測量あるいは航測と呼ばれることもあります。広義の空中写真測量には、人工衛星に搭載された光学センサで取得された画像を用いた衛星画像計測も含まれます。地形図を作成することを目的として、航空カメラ(アナログ/デジタル)でほぼ鉛直に撮影された写真を用いた写真測量に限定して、空中写真測量と呼ぶことがよくあります。