地物

地物とは、現実の世界から関心のある対象(例えば、河川・山・植物・橋・鉄道・建築物・行政界など)を抽出し、その特性を単純化した概念です。

地物には、「河川」、「山」のような自然物や、「橋」、「鉄道」のような人工物だけではなく、「行政界」、「用途地域」、「バスルート」のような仮想的な現象も含まれます。

地物は、型またはインスタンスとして表現されます。同じ特性をもつ要素の集合を「地物型」といい、地物型に含まれる要素を「地物インスタンス」といいます。

例えば、「自然の水が集まり、陸地のくぼみを高いところから低いところに向かって水が流れている」という実世界の現象に対して二つの捉え方ができます。一つは、「これは『河川』である。」と捉えることです。もう一つは、もしこの河川の名前を知っていたら、「これは『信濃川』である。」と捉えることです。この場合、「自然の水が集まり、陸地のくぼみを高いところから低いところに向かって水を流す」という特性をもつ要素の集合が「河川」という地物型です。そして、その実例である「信濃川」、「利根川」、「石狩川」などは、「河川」の地物インスタンスです。

参考文献
日本工業標準調査会(平成21年):JISX7109 、pp3, 日本工業標準調査会
地理情報標準推進委員会/国土交通省国土地理院(平成14年3月):地理情報標準第2版(JSGI2.0)の概要、pp25、国土交通省国土地理院
公益財団法人日本測量調査技術協会(平成28年7月):平成28年地理情報標準認定資格 初級技術者 講習テキスト、pp.15, 公益財団法人日本測量調査技術協会

(2016年10月31日 初稿)

English

Feature

定義

地物とは、実世界の現象の抽象概念です。地物には、「集合」と「集合に含まれる要素」の二つの捉え方があります。「地物」と呼ぶ場合には、これら両方または文脈によっていずれかをさしますが、特に、集合をさす場合には「地物型」、要素をさす場合には「地物インスタンス」と呼びます。