活断層調査

活断層は、数百年~数千年以上の間隔で大地震を引き起こします。また、活動時には、地表に変状地形(急崖や凹凸地形)が形成されることがあります。この大地震発生の場所・時期や、地表の変状の発生場所の予測のため、主に以下の活断層調査が行われます。

①空中写真を使った地形判読
空中写真から、断層活動によって形成された変状地形を判読し、周囲の地形(山地・台地など)や河川がどの程度変化しているかに注目して、「断層が活断層である可能性・位置や長さ・活動の方向」を評価します。

地質調査(地表踏査・ボーリング調査・トレンチ調査など)
露頭や地下の地質サンプルを観察し、地層の食い違いや断層が活動した時期・活動間隔を調べます。特にトレンチ調査では、大きな溝(トレンチ)を掘り、断層と地層の関係を観察することで、過去の活動時期と活動間隔を詳しく調べます。

物理探査(反射法地震探査など)
地上から地中に向けて振動波を発射して、地下の状態を調べます。波は地中の速度・密度が変わる境界で反射するので、地層境界や断層境界で跳ね返った波を読み取り、断層位置を明らかにします。他にも重力探査など様々な物理探査法が活用されます。

近年は、敦賀原子力発電所2号機の断層調査報告(2014)や、熊本地震(2016)などの度重なる大地震の発生によって、活断層調査への関心が高まっています。活断層調査の更なる精度向上によって、これらの社会的課題への貢献が期待されます。

参考文献
藤田和夫他(1991):[新編]日本の活断層-分布図と資料-,pp.4-18,東京大学出版会

(2017年12月28日 初稿)

English

Active fault investigation

定義

活断層調査とは、活断層の再活動によって発生する大地震の場所と時期の長期的な予測、及び、地表に変状が出現する場所の予測のために行う調査のことです。調査では、「断層が活断層である可能性・位置と長さ・活動の方向・過去の活動時期と活動間隔(どの程度の時間間隔で活動しているか)」などを明らかにします。