REDD+プロジェクトでは、森林の炭素蓄積量を求めますが、これはREDD+活動を行うことによってどのくらい二酸化炭素の排出削減が達成できたかを評価するために必要となるからです。
ある時点における森林の炭素蓄積量は、森林タイプ毎の森林面積に単位面積当たりの平均炭素蓄積量を乗じて算出された値の合計となります。一般的に森林面積は、リモートセンシング技術を用いて衛星画像から森林区分図ないしは土地被覆(利用)図を作成し、推定されます。一方、単位面積当たりの平均炭素蓄積量は地上調査結果から求められます。対象地域に一定数配置された調査地点において、ある一定の面積内に生育する樹木の胸高直径や高さなどを測量し、樹木1本あたりの炭素蓄積量を算出した後に、単位面積あたりの炭素蓄積量を算出します。(図1)
歴史的な複数時点の炭素蓄積量から将来的にどのくらいの二酸化炭素が排出されるかを予測したREL(参照排出レベル)/RL(参照レベル) を設定し、REDD+プロジェクトを実施した後の排出量と比較し、REDD+の取り組みによる排出削減を定量化します。(図2)
REL(参照排出レベル)/RL(参照レベル)とは、過去の森林減少(劣化)/増加に伴う温室効果ガス排出量の推移に基づき推測された将来予測を指します。
(2015年10月23日 初稿)