GNSS/IMU解析とは、衛星測位装置(GNSS)と慣性測量装置(Inertial Measurement Unit(以下IMU))を統合したGNSS/IMU装置を搭載することにより、航空機などの移動体の位置と姿勢を算出する技術です。GNSS/IMU解析が登場するまでの航空写真測量では、撮影した写真の位置や姿勢を求めるためには多くの時間と労力を必要としました。
GNSS/IMU解析を利用した空中写真測量では、まず航空機に搭載したGNSSで観測されたデータと地上基準点(電子基準点)のGNSS観測データから絶対位置を求めます。さらに、航空機に搭載したIMUの観測データから姿勢と相対位置を求めます。IMUは、観測時間の経過とともに観測誤差が蓄積されてしまうため、GNSSの絶対位置情報で誤差を補正します。一方で、GNSS観測データは低頻度(1秒間に1回程度)のため、GNSS観測データの取得ギャップをIMUの高頻度データ(1秒間に60~200回)で補完することで、高頻度で位置・姿勢の情報を求めることができます。
GNSS/IMU解析技術は1990年代半ばに軍事目的として確立し、日本の民生部門では2000年ごろから空中写真測量の分野で利用が開始されました。現在では、空中写真測量の航空機だけでなく、地上測量のMMSや海上測量の船舶など多様な移動体で活用されております。
(2020年09月18日 更新)
(2015年11月16日 初稿)