多角測量は、既知点(A0、A1)から求点(P1 、P2、・・・、Pn-1、Pn)を測線で結び構成される多角路線を計画し行われます(下図参照)。この時、始点では座標の基準と水平角の基準となる既知点2点が必要です。観測は計画された多角路線に基づき行われます。まずA1からA0を視準し、測線A1A0を角度の基準とします。次に測線A1P1の水平距離、測線A1A0とA1P1の夾角を水平角として観測します。この観測をA1から順次P1、P2、・・・、Pnと行い、測線A1P1、P1P2、・・・、Pn-1Pnを結び付けます。角度は方向角を用い、水平距離は基準面上の距離に補正し測量計算を行います。
多角測量は、多角路線の形と既知点との関係で以下のとおり区分されます。
- 結合多角方式:始点と終点が異なる既知点に結合された多角路線です。精度評価を行えるため、現在では主としてこの方式が用いられます。1級~4級基準点測量に適用することができます。
- 開放多角方式:始点は既知点で終点が求点(下図の Pnが終点)の多角路線です。トンネル掘削時など測量環境に制約がある時に用いられます。求点が1点(下図の P1が終点)の場合は、放射観測と呼ばれ地形測量や境界測量等で用いられます。
- 閉合多角方式:始点と終点が同じ既知点で閉合した多角路線です。現在はあまり用いられません。
多角測量はトータルステーションやGNSS等を用いて行われます。なお、GNSSでは点間の座標差を直接測量するため、角度の基準(既知点A0)がなくても行えます。
(2015年11月18日 初稿)