土木構造物や大型建築施設の工事では、施工手順を設計どおり実施しなければ、構造物や施設が機能しない場合や、最終的な工期や金額が超過することにもなります。そのため、工事管理測量では、工事の進捗状況を第三者的に確認し、工種毎の目的や要求精度の計測結果を、発注者(国、地方自治体、工事請負業者または施主)へ速やかかつ正確に報告し、工事を迅速かつ円滑に進捗させることが重要となります。
関西国際空港や東京国際空港(羽田空港)等の大規模な埋立工事では、進捗状況を毎日測量し、即日結果を出して翌日の施工計画に反映させる事によって、円滑に工事を進める重要な役割を担っていました。
測量方法は、陸上では、衛星からの信号から地上での位置を測量するGPSと、距離と角度が同時に測量できるトータルステーション、海上では、GPSと音響測深技術を用いて、構造物の位置、高さ、深さ、延長、形状などを計ります。
最近では、センサー技術の発達により三次元モデルの構築が簡単にできるようになり、構造物の維持管理に利用されつつあります。例えば、堤防の維持管理では、施工当初の構造物と比較することで部材量の違いを確認することを目指しています。このため、将来的には、工事管理測量においても、調査・設計段階から三次元モデルを導入し、施工、維持管理の各段階での3次元モデルに連携・発展させるCIM(Construction Information Modeling)が活用されると思われます。
(2015年11月18日 初稿)