ベンゼン等の第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)を対象とした土壌汚染状況調査は、土壌溶出量調査を行うことが原則ではありますが、揮発性有機化合物が土壌中に存在する場合には揮発したガスが土壌の表層部分において検出されやすいという特性があることから、その特性を利用した土壌ガス調査と土壌溶出量調査を組み合わせた調査を行うことになります。
法における土壌ガス調査では、対象物質による土壌汚染のおそれの分類と試料採取等を行う区画の選定により選定した地点で地表より概ね 1m の地中において土壌ガスを採取することとなります。
具体的には、地表面に直径15~30mm程度・深さ0.8~1mの採取孔をあけ、採取孔に保護管を入れて30分以上静置した後、土壌ガス試料を採取します。
採取した土壌ガス試料は、光イオン化検出器を用いるガスクロマトグラフ法(PID-CG)等の法に規定されている装置で分析を行ないます。
採取した土壌ガスがすべて不検出の場合には、指定基準に適合する土地と判断され調査を終了することとなります。一方で、土壌ガスが検出された場合には、土壌ガス濃度が隣接する他の区画に比べ相対的に高い区画(複数ある場合はそのすべて)についてボーリング調査を行います。そのボーリング調査において採取した土壌試料の土壌溶出量調査を行ない土壌汚染の有無の確認を行ないます。
参考文献
・土壌汚染対策法(平成14年5月29日法律第53号)環境省
・平成24年8月 環境省 水・大気環境局 土壌環境課
(2015年11月18日 初稿)