土壌汚染対策法では、①特定有害物質の製造、使用又は処理施設の使用の廃止、②一定規模(3000m2)以上の掘削等を伴う土地の形質変更時に土壌汚染のおそれがあると都道府県知事が認める場合、③土壌汚染を起因として人の健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認める場合、土壌汚染の状況把握のための調査の実施が必要です。
本法の対象物質(特定有害物質)は、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)、第二種特定有害物質(重金属類)、第三種特定有害物質(PCB、農薬類)の計25物質で、①汚染土壌の飛散により経口・皮膚吸収を通じ直接摂取する曝露経路や、②土壌汚染を起因とした汚染地下水の飲用により摂取する曝露経路の観点から、「汚染状態に関する基準」(以下「基準」)が定められています。
土壌汚染状況調査の結果、基準不適合であった場合は、都道府県知事が「健康被害が生ずるおそれがある基準」への該当性を判断し、該当の場合は要措置区域に、非該当の場合は形質変更時要届出区域に指定され、要措置区域については健康被害を防止するための措置が必要になります。形質変更時要届出区域は土壌汚染が存在する状態での土地利用の継続が可能ですが、同区域内の土地の形質の変更時には、事前の届出(汚染土壌の飛散・流出等の防止を計画)と一定の基準に合った施工が必要になります。
本法では上記の他、汚染土壌の運搬、処理の手続きや基準、指定調査機関等に関する基準が定められています。
参考文献
・環境省水・大気環境局土壌環境課(2012):土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)、pp1-78
(2015年11月18日 初稿)