土壌溶出量

土壌汚染対策法(以下、法)では、土壌に含まれることに起因して人の健康に被害のあるおそれがものとして、揮発性有機化合物や重金属類、農薬類などの計26物質を特定有害物質として指定しています。これらの特定有害物質が地下水に溶出し、当該地下水を摂取等した場合には、健康被害が生じるおそれがあるため、土壌中の有害物質を定量的に測定する必要があります。
土壌溶出量の測定方法は、法の施行規則で示された分析方法(環境省告示第18号)であり、分析結果は法に定められた基準(土壌溶出量基準)と比較することになります。この土壌溶出量基準は、汚染された地下水を毎日2リットル、70年間人が飲用しても健康影響が出ないような水準で設定されています。なお、土壌溶出量基準は、環境基本法で定められる土壌環境基準と同じ値であり、分析方法も同じです。また、土壌溶出量基準に不適合で、健康被害の生ずるおそれがあるような場合(周囲において地下水の飲用利用がある場合)、地下水の水質の測定、原位置封じ込め、遮水工封じ込め、土壌汚染の除去などの措置を講じる必要があります。

参考文献
環境省水・大気環境局土壌環境課(2012):土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)

(2017年11月15日 初稿)

English

Soil Elution

定義

土壌溶出量とは、土壌中の有害物質の量を示す指標値であり、土壌及び水を1:10の割合で混合し溶出されたときの液中濃度です。土壌中の有害物質が地下水に溶出し、当該地下水を飲用した場合のリスクを評価する際に用いられます。