土砂・洪水氾濫対策

土砂・洪水氾濫は、豪雨に伴い山地から流出した大量の土砂が、下流河川の緩勾配区間に流下・堆積することで河床上昇や河道埋塞(川を土砂で埋めること)を引き起こし、土砂と泥水が広範囲に溢れ出す現象をいいます。このため、斜面崩壊土石流などの発生源と被害範囲が近接する他の土砂災害とは異なる特徴があります。また、土砂とともに流出する流木は、橋梁等を閉塞して氾濫を助長し、被害を拡大させる要因となります。
近年、地球温暖化に伴う極端な豪雨の増加により、土砂・洪水氾濫による甚大な被害が頻発しています。具体的な事例としては、平成30年西日本豪雨や、令和元年東日本台風等が挙げられます。
被害への対策として、下流河川への流出土砂量を低減するために、砂防堰堤や遊砂地等の施設整備を計画的に実施します。流木対策のためには、土砂の捕捉も兼ねた透過型砂防堰堤の整備などが有効です。施設の配置計画では、まず被害のおそれのある流域を抽出し、河床変動計算などの数値解析も利用しながら、土砂移動現象の予測や被害の想定を行います。その上で、想定された被害を防ぐために、効果的かつ効率的な計画を策定します。施設を配置した条件のもとで河床変動計算を実施することにより、施設の効果を評価することが可能です。被害予測や施設効果把握の精度向上のために、航空レーザ測量データ等の高精度な標高データが活用されています。

[参考文献]
国土交通省 水管理・国土保全局:河川砂防技術基準(令和7年8月時点)
国土交通省 国土技術政策総合研究所:国総研資料第1048号 河床変動計算を用いた土砂・洪水氾濫対策に関する砂防施設配置検討の手引き(案)(平成30年11月)
国土交通省 水管理・国土保全局砂防部:土砂・洪水氾濫により大きな被害のおそれのある流域の調査要領(案)(試行版)(令和4年3月)
国土交通省 水管理・国土保全局砂防部砂防計画課 国土技術政策総合研究所 土砂災害研究部砂防研究室:土砂・洪水氾濫により大きな被害のおそれのある流域の調査要領(案)(試行版) 参考資料 流域の特徴に関する調査・保全対象に関する調査の作業例(令和4年3月)

(2026年 2月 10日 初稿)

English

countermeasures against sediment and flooding damage

定義

土砂・洪水氾濫対策とは、山地から流出した大量の土砂や流木が下流河川に堆積することで発生する、土砂および泥水の氾濫(土砂・洪水氾濫)による家屋等への甚大な被害を防止・軽減するための取り組みです。被害の危険性が高い流域を対象に、砂防堰堤や遊砂地といった施設整備を計画的に進めています。近年の気候変動による豪雨の激化に伴い、本対策の重要性は一層高まっています。