砂防堰堤の位置は、土石流対策の場合、効率的に土石流の捕捉できる位置として保全対象の直上流に設置する場合が多いです。
土砂・洪水氾濫対策の場合は、洪水時の土砂や流木の挙動を河床変動計算によって解析し、効果的な位置に設置します。
砂防堰堤の型式は、大きく透過型と不透過型に分類され、堰堤の目的に応じて型式を選択します。
透過型は、平常時に土砂が貯まらないため土石流を効率的に捕捉できます。
不透過型は、平常時に土砂が貯まるため堰堤上流の渓岸、渓床の荒廃防止に役立ちます。
砂防堰堤の材料は、コンクリートと鋼製が一般的です。※2
砂防堰堤の規模(堤高)は、必要な天端高と洗堀から堤体を守るための根入深さを設定して求めます。
砂防堰堤は、多目的ダムとは異なり「土砂を制御する」ことが目的であるため、独自の設計基準があります。
砂防堰堤の設計は、まず「水通し」と呼ばれる上流からの洪水を下流に流す放水路の断面を、洪水流量または土石流の波高等により決定します。
次に砂防堰堤本体の断面は、想定される外力に対して安全かどうかを検討して決定します。
砂防堰堤で想定する外力は、一般に水圧、土圧、土石流流体力です。※3
砂防堰堤の構造は、想定される外力に対して自らの重さにより安定させる重力式が一般的で、安定計算により、滑動、転倒、破壊に対しての安全を確認し、最終的な堤体の断面を決定します。
以上の工程を経て最終的な砂防堰堤の形状が決まります。
[参考文献]
※1土木設計業務等共通仕様書(案) 第4編 砂防及び地すべり対策編―国土交通省
※2鋼製砂防構造物設計便覧―砂防・地すべり技術センター
※3土石流・流木対策設計技術指針 解説―国土交通省 国土技術政策総合研究所
(2026年4月14日 初稿)