時間スキーマ

建物の建設年月日や道路の供用開始から廃道となるまでの供用期間など、地物がもつ時間的な特性を時間属性と呼びます。時間スキーマは、この時間属性を記述するときに使用する時間オブジェクトの構造や内容を定めています。時間オブジェクトとして、瞬間(時間軸上の点)や、期間(開始点と終了点に囲まれた時間軸上の線)などが定義されています。

例えば、ある店舗が平成20年6月15日に開店し、平成24年4月28日に閉店したとしましょう。この店舗が存在していた期間を記述したい場合に、ある人は、開店日と閉店日で表現するかもしれません。別の人は、開店日と、閉店するまでの日数で表現するかもしれません。また、ある人は、「平成」という元号を省略するかもしれません。

このように、地理空間データを作成する人によって時間の記述方法が異なると、データの流通性が損なわれます。

よって、時間属性の記述に時間スキーマを使用することで、時間の記述方法が統一化され、データ作成やデータ利用をしやすくなります。

時間属性には、「時間幾何属性」と「時間位相属性」の二つがあります。時間幾何属性とは、2015年9月12日午後1時49分のように、測定できる時間で表される性質です。時間位相属性とは、私は彼よりも先に帰った、というように先・後の関係のみで表せる性質です。

また、時間軸上の位置を決めるためには、空間スキーマと同様に、参照系が必要になります。これを時間参照系と呼びます。時間参照系として、和暦や西暦のように一日を単位とする「暦」と、協定世界時や日本標準時のように一日の中の時間を決定する「時計」などがあります。

参考文献
日本測量調査技術協会(2004): JIS X7108地理情報-時間スキーマ, 日本規格協会

(2016年11月02日 初稿)

English

Temporal schema

定義

時間スキーマとは、地物(実世界の現象の抽象概念)がもつ時間的な特性を記述するための概念スキーマです。地物の時間的な特性(時間属性)の記述に、時間スキーマで定義された時間オブジェクトを使用します。