空間スキーマ

実世界の抽象概念である地物には、位置や形状といった幾何的な特性や、つながる・接するといった位相的な特性があります。これらの空間的な特性を「空間属性」といいます。

空間スキーマは、地物の空間属性を記述するための要素やその構造を定義する地理情報標準です。

例えば、道路に存在する地物を空間属性から考えてみましょう。マンホールは「点」、ガードレールは「線」、車道は「面」としてその位置や形状を表現することができます。また、道路を使った経路探索を考えてみましょう。このとき、どの道路とどの道路がどの交差点でつながっているのかという、道路と交差点との接続関係を表現する必要があります。この場合、交差点の空間属性を「ノード」、道路の空間属性を「リンク」としてそのつながりを表現できます。

空間スキーマは、空間属性について点、線、面などの座標をもつ幾何的な要素を定義する幾何スキーマと、ノードとリンクといった接続関係のみを定義する位相スキーマから構成されます。点、線、面だけではなく、点の集合、線の集合といった複雑な要素も空間スキーマには定義されています。また、直線や折れ線だけではなく、円や円弧なども定義されています。

応用スキーマを作成し、地物に空間属性を与える場合には、空間スキーマに定義された要素を、その論議領域に応じて使用します。

参考文献
日本測量調査技術協会(2005): JIS X7107地理情報-空間スキーマ, 日本規格協会

(2017年01月16日 初稿)

English

Spatial Schema

定義

空間スキーマとは、地物(実世界の現象の抽象概念)がもつ、位置や形状といった空間的な特性を記述するための概念である、点、線、面、あるいはリンクやノードといった要素をモデルとして記述したものです。