村井俊治インタビュー「空間情報技術イノベーションへの挑戦~半世紀にわたる過去、現在、そして未来へ~」

村井俊治 
1939年生

東京大学生産技術研究所教授(1983~2000)

東京大学名誉教授

国際写真測量・リモートセンシング学会会長(1992~1996)

タイ国アジア工科大学教授(1992~1995、1997~1999)

日本写真測量学会会長(2000~2012)

日本測量協会会長(2007~2015)

(旧)オランダ宇宙航空測量・地球科学大学院(ITC) Honorable Fellow

インドリモートセンシング学会名誉会員

(旧)武漢測絵科技大学名誉教授

タイ国白象綬褒賞勲二等授賞

スイス連邦工科大学名誉博士

国際航業株式会社顧問

地震科学探査機構(JESEA)顧問

地殻変動観測による地震発生予測に挑戦

※内容ならびに略歴はインタビュー時(2017年6月)のものです。



1.空間情報イノベーションに挑戦した半世紀のキャリアを振り返ってどんな感想をお持ちですか? (1'11")

私が東京大学生産技術研究所で写真測量の研究をしたのが、1966(昭和41)年ですから研究歴は51年になります。まさに半世紀です。アナログ技術からデジタル技術への転換期でアナログとデジタルのハイブリッドの時期で、「解析写真測量」が台頭した時代でした。20世紀末から21世紀初めにかけて「デジタル写真測量」が新たな研究テーマになり、自動標定や自動三次元計測など挑戦するテーマに恵まれました。一方で1972年以降リモートセンシングが台頭し、写真測量とリモートセンシングの融合が議論され、20世紀末にはGISが加わり、さらに21世紀にはレーザー測量が編入され、空間情報技術のイノベーションの時代に最初から参加でき幸運だったと思います。

2.村井先生が挑戦した空間情報技術イノベーションの中で、特に写真測量の領域について挙げていただけますか? (3'06")

1)相互標定の誤差解析(1968):最初に取り組んだテーマ
2)非測定用カメラのキャリブレーション(1980~1981):一般カメラを写真測量に利用する発想がなかった時代に行った画期的研究(ISPRS80で発表)
3)バンドル法の開発(1982):独自に開発して、公共測量作業規定に採用された
4)スリーラインスキャナーの解析(1984):ISPRSで発表して高い評価を得た
5)地上測量を加えた写真測量誤差調整法の開発(1987~1989):距離を拘束条件にした標定方法を開発した
6)ボアホールスキャナーの開発(1980)
7)スリーラインスキャナーの開発(1994)
8)下水管敷設計測システムの開発:小口径下水管の敷設時の曲がりの写真測量・計測を実現した
9)オルソイメジャーの開発:撮影だけで偏位修正画像ができるセンサーを開発し特許を取得した
10)モバイルマッピング用ステレオ写真撮影(2017):国際航業株式会社と特許を取得した


3.どのようにして幅広く写真測量を応用した研究テーマを持つようになったのでしょうか? (1'22")



4.今では現場で当たり前のように使われているボアホールスキャナーの開発にも携わっていますね? (1'18")



5.小口径下水管屈曲角度測定用デジタルカメラが最新の現場でも活用されていると聞きましたが? (1'22")

小口径下水管屈曲角度測定用デジタルカメラ



6.リモートセンシングの領域で体験したイノベーションを教えていただけますか? (4'16")

1)LANDSAT衛星画像のデジタル処理(1974):日本で初めて東京のCCTデータを購入し、デジタル処理を行った
2)LANDSAT画像の幾何補正(1974~1978):写真測量の標定方法を応用した
3)LANDSAT画像の土地利用分類(1977~1979):様々な手法を開発した
4)NOAA画像を用いた世界森林図の作成(1993~1994)
5)森林破壊と世界人口増加の相関分析(1999~2000):AIT(アジア工科大学院)博士学生の指導


7.リモートセンシングの領域で国際的にも活躍されましたが、受賞された賞をいくつか紹介してください。 (3'23")

私が打ち込んだのはアジアリモートセンシング会議(ACRS)およびアジアリモートセンシング協会(AARS)の組織運営です。1980年から30年間お世話しました。AARS関連の賞は1995年にブーン・インドラムバヤメダル、1997年に白象賞勲二等(タイ国プミボン国王より)、2016年にChen Shupeng賞、2017年にGeospatial World Industryの殿堂入りなどを受賞しました。
1984年から2000年まで16年間、国際写真測量・リモートセンシング学会(ISPRS)の役員(大会委員長、事務総長、会長、第一副会長)を歴任しました。この関連では1998年にスイス連邦工科大学(ETH)名誉博士、2000年にISPRS名誉会員などを受賞しました。
受賞した中で一番価値のある賞は、ETHから受賞した名誉博士で、写真測量の分野では60年振りの受賞だそうです。受賞の理由は、「写真測量とリモートセンシングの融合を国際レベルで達成し貢献した」ということでした。私のISPRS会長の業績を認めてくれたのです。

1998年 スイス連邦工科大学ETHの名誉博士授与式(58才)

2017年 Geospatial World Industry殿堂入り表彰式



8.アジアの森林解析に関心を持たれたのはどのようなきっかけからだったのでしょうか? (3'43")



9.日本写真測量学会と日本リモートセンシング研究会で取り組みについてお聞かせください。 (3'29")



10.今の若い技術者に向けて、どのように基盤づくりをすればよいと思われますか? (3'22")



11.写真測量やリモートセンシングはこれからのどのような方向に発展していくと思われますか? (3'05")



12.地震予測を始められたは東日本大震災がきっかけだったのでしょうか? (4'22")

東大を定年退職した2年後の2002(平成14)年にGPSで地震予測ができそうだから一緒に研究しないかと誘われ第2の人生のテーマによいと思い始めました。
2003年に十勝地震(M8.0)が起き、GPSデータに前兆を確認しました。そこで特許を申請し、3年後の2006年にGPSによる地震・火山噴火予知の特許を取得しました。
2007~2009年に電力会社と検証研究を行い、大地震の前には必ず前兆が現れることを確証しました。
2011年に起きた東日本大震災の前に異常な前兆があったことを知っていながら発信できなかったことを悔やんでいました。


13.空間情報技術の次のイノベーションはどんなものだと予測しますか? (3'51")



インタビュー:向山 栄