鉛等の第二種特定有害物質(重金属)やチウラム等の第三種特定有害物質(農薬類)を対象とした土壌汚染状況調査では、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)に比べ物質の特性上、土壌への吸着性が高いことから、表層土壌を採取して、土壌溶出量調査・土壌含有量調査(重金属のみ)を行います。
表層土壌調査の具体的な方法は、対象物質による土壌汚染のおそれの分類と試料採取等を行う区画の選定により選定した地点で、汚染のおそれが生じた場所の位置(不明な場合は地表面)より深度50cmまでの土壌を採取し分析をします。
ただし、土壌試料を実際に採取する場所は現場の状況により、裸地・コンクリートによる被覆・地下ピット等様々です。表層土壌調査では土壌表面から深さ50cmまでの土壌を採取することになります。例えば、特定有害物質の取り扱いがある地下ピット等が地表から1mの深さまであった場合には、地下ピット下の1mより下の50cmの土壌を採取することになります。
汚染のおそれが生じた場所の位置が地上にある場合の土壌試料は、表層(地表から5cm)の土壌と、5~50cmまでの深さの土壌を採取し、これら2つの深度の土壌をそれぞれ等量混合して分析試料とします。
法に基づく調査では、それらの試料を計量証明事業者が法に定める方法により分析し、それらの結果等から土壌汚染の状況を把握することとなります。
参考文献
・土壌汚染対策法(平成14年5月29日法律第53号) 環境省
・土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版) 平成24年8月 環境省 水・大気環境局 土壌環境課
(2015年11月18日 初稿)