環境情報図は、平成9年(1997年)に河川法が改正され、河川の目的としてそれまでの「治水」「利水」に加え、「河川環境」の整備と保全が位置づけられたのを受け、河川の整備や管理において、河川環境の保全のためのツールとして活用されています。
特に国や県での河川整備計画の検討においては、整備・保全すべき河川環境の検討ための様式集である「河川環境検討シート」において、図面資料として各河川で作成されています。
河川環境情報図には、河川水辺の国勢調査等の動植物調査結果を基に、確認された重要種(国や県のレッドデータブック記載種等)や外来生物の確認位置、及びそれらの生息・生育環境(ハビタット)として植生や瀬・淵等の微地形などの分布状況が示されています。
一方、ハビタットマップは、ダムの管理において、重要種の生息・生育環境の保全や外来種への対策のための基礎資料として、それら確認位置情報とハビタットの分布を図化して利用されています。
これらの経年の情報をGISで整備することにより、河川環境やダム周辺環境の経年的変化を定量的に比較検討が可能となります。
このため、今後河川環境やダム周辺環境の変化に応じた河川やダムの適切な管理を実施する上で、GISによるこれら情報の整備を進めています。
参考文献
・「河川環境検討シート作成の手引き(案)」(平成15年3月)国土交通省河川局河川環境課
・「河川環境情報図の作成と利用」リバーフロント整備センター
(2015年11月10日 初稿)