河川水辺の国勢調査は、定期的、継続的、統一的に河川に関する基礎情報を収集整備するために、平成2年度から各調査項目を5年で一巡する調査を開始し、調査体系や調査頻度等、調査内容の見直しを経た後、平成18年度から4巡目の調査が実施されています。
調査は、調査マニュアルに則り、統一的な手法で実施されており、調査結果は、年度毎に整理され、各分野の専門家により内容を精査された後、一部、重要種(希少種)等に関する情報を除いて、翌年度に一般にも公表されます。現在は、過年度の調査結果も電子化されており、国土交通省のポータルサイト(水情報国土)を通して一般の方でも入手可能です。
本調査は、全国的なインベントリ(目録作成・分布把握)調査の代表例で、長期間、統一的な手法で実施されており、国内における生物の分布状況を知る上で貴重なデータとなっています。
調査結果は日々の河川管理やダム管理に利用されており、河川整備計画等の各種計画を立てる上でも基礎データとして利用されています。また、研究者に向けてもデータ提供されており、各種研究にも活用されています。
近年、社会問題ともなっている外来種の分布状況や、地球温暖化に伴う環境変化についても、過去20年に渡り蓄積されたデータを用いることで分析が可能で、局所的な経年変化を把握するだけで無く、全国的な変化傾向についても知ることができます。今後は、研究者のみならず、一般の方々によるさらなるデータ活用が期待されます。
(2015年11月10日 初稿)