地球上の点の位置の代表的な表し方には、(測地)緯度、経度、および楕円体高で表す方法や、地球重心を原点とする3次元直交座標系で表す方法があります。通常、前者を測地座標系と呼び、後者を地心座標系と呼びますが、後者の地心座標系を測地座標系と呼ぶ場合もあります。
測地座標系を定めるには、地球に固定された座標系(これを地球座標系といいます)と地球楕円体(これを準拠楕円体といいます)の形と大きさが必要になります。地球座標系は、原点の位置と座標軸の方向が決まれば定義できます。現在の日本における位置の基準となっている世界測地系(測地成果2011)では、地球座標系の原点を地球の重心とし、地球の自転軸をZ軸とするITRF(International Terrestrial Reference Frame)座標系(国際地球基準座標系)を採用しています。また、世界測地系ではGRS80(Geodetic Reference System 1980、測地基準系1980)楕円体を準拠楕円体としています。
地球座標系と準拠楕円体によって定められる測地体系は測地系あるいは測地基準系と呼ばれ、測量の基準となるものです。国や地域によって、測地系は異なります。現在の日本は、世界で共通に利用されることを目的として定められた世界測地系を採用しています。なお、測地座標が楕円体高を用いるのに対し、現在の日本において点の位置を表すのに用いている標高は、楕円体高ではなく、ジオイド面(東京湾平均海面)からの高さです。
(2015年11月18日 初稿)