ジオイド

陸地には大小さまざまな山が存在するため地表面は凹凸が多いです。いっぽう、海面は重力の影響から地表面に比べて凹凸が少ない球に近い形状を保とうとします。海面は潮汐・海流・気象や気候などの影響を受けて変化していますが、平均的な海面は滑らかなものとなります。この海水が落ち着いてつくる地球の表面形状は重力の等ポテンシャル面の1つであり、すべての場所で地球の重力方向に対して垂直となります。

ここで、陸地にもこの海水面が入り込んでいるものと仮定し、これらの海水面が全体として形成する形をもって地球の輪郭とみなすことにします。この世界の海面の平均位置にもっとも近い重力の等ポテンシャル面をジオイドと呼び、地球の形状を最も良く近似表現している曲面モデルとしています。地球内部の質量分布が不均一なため、重力は地球表面で一様ではなく、ジオイドは起伏(凹凸)のある曲面になります。しかし、ジオイドはほぼ回転楕円体(地球楕円体)といえる形を示します。

日本では、東京湾平均海面をジオイドと定め、離島を除いて、標高の基準としています。そのため、標高はジオイドから測った高さになります。

(2015年11月18日 初稿)

English

Geoid

定義

世界の海面平均位置にもっとも近い重力の等ポテンシャル面をジオイドと呼びます。これは、地球の形状を最も良く近似表現している曲面モデルです。