森林や公園にある樹木、あるいは街路樹などの高さを測定することを樹高調査といいます。樹木の高さとは、地面から樹頂までの高さのことです。森林での樹高調査は、林業経営で必要とされる材積などを算出するために行われるもので、樹高を数m程度の精度で測定することが求められています。都市では、都市の環境を調査するために市街地に生えている高い木の分布を把握する樹木調査が行われていますが、その中で樹高も測定されています。このときの樹高調査では、m単位での測定が求められています。また、周辺の建物と比較するなど、相対的な調査を行うこともあります。
樹高は、下図に示すように、測定点から対象となる樹木までの距離、樹頂を見上げた際の角度(仰角)、根本を見下ろした際の角度(俯角)を測定し、これらの測定値から樹高を算出します。距離は巻尺や超音波やレーザを用いた測距装置を用いて測定し、仰角と俯角はクリノメータ(手持ち式の水準器付き傾斜角測定装置)などの測角装置を用いて測定します。現在では、測距装置と測角装置を一体化した装置も用いられています。
また、近年では、航空レーザ測量のデータを用いて、(基準面からの樹頂までの高さ)-(基準面からの地面までの高さ)で樹高を求めることができるようになっています。この方法では、大量の樹木の高さを一度に測定できる利点がありますが、そのためには地面の高さを正確に求めることが必要となります。
(2015年11月18日 初稿)