埋石

正確な地図を作るためには、測量により地球上の点の位置関係を正確に知る必要があります。そのために、地上に点の位置を示す標識を埋設して測量しました。明治以来、国が行った測量の永久標識には花崗岩が用いられ、三角測量では三角点標石(柱石と盤石)が、水準測量では水準点標石(柱石)が埋設されました。現在も行なわれている基準点測量の四等三角点の柱石は、約15cm×15cmの長さ63cm、重さは約40kg、また、高さの基準となる一等水準点の柱石は約24cm×24cmの長さ90cm、重さは約140kgもあります。

地上の埋設方法では、柱石頭部が地表から出るように埋設され、柱石を保護するために周囲に保護石が埋設されました。三角点の柱石上面には十字線が刻まれ、水準点では半球状の突起(球分)が形成されており、その部分が測量成果の位置及び標高を示しています。また、盤石は盤状の石で、四等三角点の盤石は約30cm×30cmで厚さ9cmです。上面に刻まれた十字線が柱石の十字線の真下になるように埋設されており、柱石が移動したことが検出できます。水準点には盤石は無く、柱石下部は、栗石やコンクリートで頑丈に固められています。

上記の埋設の構造は、現在の公共測量でも基本的には変わりませんが、十字線及び標識番号や測量計画機関名を刻印した金属標も使われています。柱石は、コンクリート柱の上面に金属標を埋め込んだものが使われ、盤石もコンクリート製のものが使われています。

交通の障害に配慮して、柱石頭部が地面より下に位置するように埋設し上部に鉄蓋等をする地下埋設も行なわれています。また、金属標をコンクリートで直接建物屋上に接着する屋上埋設も行なわれています。

(2019年05月15日 更新)
(2015年11月18日 初稿)

English

Setting of station marker

定義

埋石とは、位置の基準となる点に柱石や金属標の永久標識を設置することをいいます。測量では埋石と埋設は同義として使われています。