従来、地質調査の成果として対象地域の地盤情報を表す資料は、地表面での地質の分布状況を示す「地質平面図」、特定の断面上での地質の分布状況を示す「鉛直断面図」「水平断面図」等が作成されてきました。これらの各資料は二次元である平面図で作成されているため、資料同士の相互関係の確認や資料の空白域の状況の推定を行い、分布状況を立体的に把握するには専門的な技術が必要とされます。
三次元地盤モデルは、三次元上に情報を配置するため誰でも簡単に地盤状況を立体的に把握することが可能になります。一方で、地盤モデルを利用する上では地盤モデルはボーリング調査等から予測された物であり、必ずしもモデル上で表現されている地盤情報が現実と一致するとは限らない点に留意する必要があります。
三次元地盤モデルにおける地盤のモデル手法には以下のようなものが挙げられます。
モデル名称 | 説明 | |
---|---|---|
サーフェスモデル | 地質区分や地盤の硬さ等、特定の情報を基に区分境界を面で表現するモデル | |
ソリッドモデル | ボクセルモデル | モデル内をサイコロのようにマス目で分割し、マス目ごとに地質区分をはじめとする様々な情報を付与するモデル |
柱状図モデル | 平面上(緯度・経度) はマス目で分割し、高さ方向 (標高) は特定の区分境界ごとに区切るモデル | |
パネルダイアグラム | 三次元地盤モデルから作成された平面図や断面図を立体的に配置するモデル |
参考文献
2016 改定:地質リスク調査検討業務発注ガイド 平成28年9月 (一社)全国地質調査業協会連合会
全国地質調査業協会連合会・日本建設情報総合センター(2016):三次元地盤モデル作成の手引き 建設現場の生産性向上に向けて,pp.1,
(2017年10月13日 初稿)