一般地物モデル

一般地物モデル (General Feature Model:GFM)は、実世界に起きている現象を,互いに関係をもつ地物として捉え、概念として説明するための規則です。例えば、どのような地物でもダムとか道路といった名前をもちます。次に地物は、例えば貯水量とか延長距離といった、そのもの固有の性質、つまり属性を持ちます。さらに地物は、一定の水位を超えたら放水するとか、自動車を走らせるといった機能を持ちます。つまりGFMは、地物は名前、属性、そして機能(GFMでは機能を操作と呼びます)をもつこと、そしてそれらをどのように説明するかを示します。

GFMではこれ以外にも、地物同士は関係をもつことがあり、それは継承と関連のいずれかであるとしています。例えば行政界や植生界など、異なる性質を持つ土地を分割する線を境界線と言います。言い換えると、土地を分割する線は、必ず境界線がもつ性質を受け継ぎます。このような、抽象度の高い地物の性質を受け継ぐことを継承といいます。さて、例えば、建物の前にはほとんどの場合、道路があります。つまり、道路と建物の間には関連性があります。このような関連が明示されていると、建物から別の建物への経路を考えることもできます。GFMは、関係には継承と関連があること,そしてそれらをどのように説明するかを示します。

GFMを理解していれば、GFMに従って作られた、地物やその関係の説明に接したときに、人々やGISはその記述(応用スキーマといいます)を誤解なく読み解くことができるでしょう。そして、応用スキーマに従って地理空間データを作ったり使ったりすることができるようになるでしょう。

参考文献
太田守重(2015):4 空間事象のモデル化と形式化.地理情報科学(浅見泰司,矢野桂司,貞広幸雄,湯田ミノリ編),pp22-29,古今書院

(2019年03月26日 更新)
(2016年10月31日 初稿)

English

general feature model

定義

一般地物モデルとは、実世界に起きている現象を地物とその関係として捉え、それらを概念として記述するための規則のことです。この規則に従って作成される概念モデルは応用スキーマといいます。地理空間データは応用スキーマに従って作成され、使用されます。