固定資産課税台帳

固定資産税は、土地、家屋、償却資産に対して課税される地方税です。固定資産への課税のために市町村が整備する台帳が固定資産課税台帳です。市町村は、法令上「固定資産課税台帳等の備え付け」義務が課されています。(地方税法第380条第1項)また、市町村は、法令上、固定資産課税台帳以外の評価に必要な備え付けるべき資料として、地籍図、土地使用図、土壌分類図、家屋見取図などの資料の整備も義務付けられています。(地方税法第380条第3項)

固定資産税は、毎年1月1日に固定資産を所有している人がその固定資産の価格を基に算定された税額をその固定資産の所在する市町村に納める税制度です。固定資産税は、固定資産の価格(適正な時価)を課税標準として課税されます。本来であれば毎年評価替えを行い、その結果を基に課税を行うことが理想ですが、膨大な量の土地、家屋について毎年評価を見直すことは、事実上不可能です。課税事務の簡素化を図り、徴税コストを最小に抑える必要から、土地と家屋については原則として3年間価格を据え置く制度がとられています。例えば、1月2日以降に土地および建物を取得し所有者となった場合、翌年より固定資産税の支払い義務が生じます。土地については、その年の経済状況により地価の上昇・下落などの変動があります。地価の下落が続き、固定資産の価格を3年間据え置くことが適当でないときは、簡易な方法により価格の修正が行われます。

固定資産課税台帳は、土地、家屋、償却資産の所有者情報等を含む個人情報でもあります。取扱いについては、十分な配慮が必要です。また、これらの台帳および資料の整備は、市町村単独のみならず、民間企業による航空写真の利用、台帳地図資料の電子化、地理情報システムの導入など空間情報技術を利用した整備が進められています。固定資産税は、市町村民税とともに、福祉や健康、子育てや学校教育、消防や救急、ゴミ収集などの基礎的な行政サービスを提供する市町村の財政を支える基幹税目として、重要な役割を果たしています。

(2014年12月25日 初稿)

English

fixed assets ledger

定義

地方税法の規定により、市町村が固定資産の状況及び固定資産税の課税標準である固定資産の評価を明らかにするために整備する台帳です。この台帳を基に固定資産への課税が行われます。