地理情報システム

地理情報は地図が示す情報に限らず、日本の人口が約1億2000万人であるといった情報や、東京の昨日の最高気温が25.6℃であったといった情報も地理情報に該当します。一方、「情報システムは、組織体または社会の活動に必要な情報の収集、処理、伝達、および利用にかかわる仕組みである」と定義されることもあり、広義の情報システムは本来コンピュータがあってもなくても存在するものであると言われることもあります。このため、広義の地理情報システムは人類が社会的な活動を開始した古代より利用されていたと考えることもできます。

しかし、現在地理情報システムと呼ばれているものは、コンピュータを利用して、地理情報の入力、蓄積、交換、検索、計算、分析および出力を行う情報システムのことであり、一般に、土地利用、資源、環境、交通、都市施設その他行政あるいは業務に必要な案件の計画および管理に係わる意志決定を支援する目的で利用されている情報システムを指しています。

欧米では、1960年代より汎用的な利用が可能なGISソフトウェアの開発が始まり、1970年代には、いくつかの地理情報システムの実利用が始まりました。日本では、1980年代より開発が始まり、官公庁、公益法人、民間企業などの業務で利用されるようになってきました。近年では、マーケティングやカーナビゲーションなど、幅広い分野においてますます普及しつつあります。

(2015年11月18日 初稿)

English

Geographic information system、GIS

定義

地理的な位置や範囲とそこにあるものの属性が対になっている情報を地理情報といいます。地理情報の代表的なものには、地図(地理データを表現したものです)、地理的な位置や範囲と関連づけられた統計情報、空中写真やリモートセンシングデータから抽出された情報などがあります。地理情報システムとは、地理情報の入力、蓄積、交換、検索、計算、分析および出力を行う情報システムのことです。地理情報システムを指す用語として、英語の略称であるGISもよく使われています。