下水道施設は、各家庭や工場に繋がる「桝(ます)・取付管」、そこから道路下で排水する役目を持つ「管きょ」、管きょと管きょを繋ぎ、点検口の役割を持つ「マンホール」、そしてこれらの排水を浄化処理して自然の河川や海に放流する「処理場」などで構成されます。これらの下水道施設は、地理情報システム(GIS)を用いて、その埋設位置を管理することが主流になっており、このシステムを「下水道施設管理システム」と呼んでいます。これにより、例えば、あるマンホールに流れ込んだ有害物質が、どのくらいの速度で、どこまで到達するか被害を予測したり、管きょを立体的に切り出して縦断図や横断図を作り、新たな管きょをどこに繋ぐべきか検討したりできます。
下水道施設は、適切に管理されてないと、悪臭や詰まりが発生するだけではなく、管きょの劣化や老朽化により道路陥没を引き起こしたりします。そこで下水道施設管理システムを用いて、施設の巡視や目視などの保守点検記録の管理や、古くなった施設の修理や改築した記録を管理することも行われています。今後、老朽化した下水道施設が増えてくる中で、下水道施設管理システムの果たす役割は、大変重要になってきています。
(2019年05月10日 更新)
(2015年11月18日 初稿)