防犯灯は、生活道路において夜間の通行に支障があり、防犯上の不安が懸念される場所に設置されます。防犯の観点から、明暗の差を小さくすることが重要です。維持管理は、自治体、自治会及び町内会等、様々な主体が行うため、適切な器具を選定し、明るさを確保した上で、維持管理費の削減や節電が求められています。
LED防犯灯は、現在の蛍光灯による防犯灯と比較して、節電(省エネ)と維持管理費の軽減を図ることができます。「小規模地方公共団体におけるLED 街路灯等導入促進事業 公募要領(第2次公募),平成 25 年4月 18 日,環境省地球環境局地球温暖化対策課」によると、地方公共団体が管理する街路灯等は全国で約1000 万灯はあると言われており、これをLED 照明に更新することによる温室効果ガスの削減効果は高いとされています。また、これらの街路灯等をLED照明に更新することによって大幅な電力消費量の削減と電力料金の節減になると言われています。さらに、LED照明は長寿命であるため、維持管理経費の軽減に寄与します。
このようにLED 照明への交換は、環境面や維持管理における経済面で優位といえますが、一方で、従来の蛍光灯等と比較して価格が高価であり導入への障壁となります。このため、環境省が主体となり、リース方式を活用することによってイニシャルコスト等を削減し、経済的かつ効率的にLED 照明を導入する事業が行われています。
さらに、長期にわたる安定的な運用には、メンテナンスが重要です。例えば、個々のLED防犯灯をデータベースで管理することで、設置、補修及び更新といった履歴を管理できるだけでなく、新しい技術や製品の導入にも円滑に対応できると考えられます。
参考文献
小規模地方公共団体におけるLED 街路灯等導入促進事業 公募要領(第2次公募),平成 25 年4月 18 日,環境省地球環境局地球温暖化対策課
(2015年11月27日 初稿)