地理情報標準は、地理空間情報を流通させるためのルールで様々な規格があります。しかし、地理空間データ製品仕様書を作成しようとした場合に、データ構造の記述に関する規格、品質に関する規格、あるいは符号化に関する規格、というように必要な規格が分かれており、地理情報標準の利用者にとっては不便です。
さらに、様々な国や機関が参加して規格を策定しており、一つ一つの規格には、現在の日本での地理空間データの利用や作成においては不要な記述も含まれています。
そこで、地理情報に関する国際規格(ISO 19100シリーズ)及び日本工業規格(JIS X 7100シリーズ)から、日本の利便性を考慮し、最小限必要な部分を取り出すとともに、体系化して実用的な標準としたのが地理情報標準プロファイル(JPGIS)です。
「プロファイル」とは、一つ以上の規格から、ある目的を達成するために抽出された要素の集合を意味します。ただし、元となる規格と不整合がないように抽出しなければなりません。
国土地理院では、このJPGISを、地理空間データのための日本での実用的な標準として利用を推奨しています。例えば、測量法に基づく「作業規程の準則」では、成果の種類、内容、構造、品質等をJPGISに準拠して製品仕様書の作成を規定しています。
(2017年9月13日 初稿)