駅前広場計画では、都市の将来計画や駅周辺地区の開発・整備計画における当該駅の位置づけや駅前広場の現況などを踏まえた問題点と課題を整理します。計画策定においては、多くの情報が必要であり、既存調査結果の収集のほか、必要に応じて実態調査を行います。
次に、上記で整理した問題点と課題から計画の基本方針を立てます。基本方針の内容としては、a)目標年次の設定、b)広場機能のあり方、c)駅前広場と周辺のあり方などがあります。a)目標年次の設定では、おおむね20年後の需要を満たすように計画し、また、b)広場機能のあり方では、駅前広場に求められている「交通空間」及び「環境空間」としての機能のあり方を示します。さらに、c)駅前広場と周辺のあり方では、駅前広場と周辺交通計画のあり方、駅周辺に求められる機能を駅のどの方角に、あるいは駅前広場区域内と周辺施設のどちらに配置するかといった役割分担、動線計画の考え方、自由通路やスカイウォークのような高架の歩行者専用道路などの立体利用の条件を整理します。
その後、駅前広場の概略規模の算定及び全体配置計画の検討を行い、さらに各施設の動線、配置、景観計画などを検討し、区域の設定を行います。
なお、駅前広場の整備の実現化に向け、都市計画決定の手続きのスケジュールの管理や事業手法の検討も必要になります。
参考文献
社団法人日本交通計画協会(1998)『駅前広場計画指針―新しい駅前広場の考え方』建設省都市局都市交通調査室監修,技報堂出版
(2017年10月24日 初稿)