どこかに移動するため、自家用車あるいはバスなどを利用する場合、交通渋滞が原因で約束に間に合わなかったという経験をされた方は少なくないと思います。また、自転車や徒歩で移動する場合も含めて、秩序ある安全な交通環境が確保されていないと、交通事故に合う危険性も高まるといえます。
このような移動に関する様々な課題に対応し、交通機能を最も円滑に発揮させることを目的として行われる総合的な計画のことです。
昨今の社会的な対応課題であるバリアフリーなどの高齢化社会への対応や、車の量を減らしCO2排出量を減らすことによる地球環境の改善など、新たな課題への対応も対象としています。
交通計画の手順としては、既存の調査、統計資料などの収集や交通量を実際に計測するなどを通じて現況を把握し、交通上の課題を分析します。また、将来の計画時点における交通状況については、交通需要の予測により推測します。課題が明らかになったら、具体的な対応方策を検討、決定します。
計画される具体施策としては、新たな道路の整備などの建設を伴うもの(ハード対策)や交通誘導等の建設を伴わないもの(ソフト対策)もあります。海外では、道路を利用する交通量を制限する政策措置として、利用者に課金するといったソフト対策も行われており、国内においても、大型観光地や都市部において沿道環境を改善するための対策のひとつとして、適用の可能性が検討されています。
(2015年11月18日 初稿)