IoTは既に産業、社会インフラ、個人に至るまで様々な分野で活用されています。
産業分野の例では、建設現場で使う建設機械にセンサーや通信機器を埋め込み稼働状況のデータを集めることで、温室効果ガスの排出量の計算や景気の予測等の見える化を実現しています。
社会インフラの例では、施設の維持管理で、施設点検時の入力データや施設内装置のセンサー情報等をインターネット経由でクラウドに送り解析することで補修が必要な場所を特定でき、点検コストの削減やベテラン作業員のノウハウ伝承を実現しています。
個人向けサービスの例では、家の鍵のロックや照明等をインターネットにつなぐことで家にいなくてもスマートフォンのアプリから操作し、鍵の閉め忘れや防犯の強化に役立てています。
このように、様々な分野でIoTが浸透していくことで、私たちの生活が便利になるだけではなく、生産性の向上やコストの削減等、多種多様な効果を生み出すことが可能となります。
一方で課題も残っています。セキュリティが確保されていないモノ同時がつながる、それらがサイバー攻撃の的にされる、機密データや個人情報が盗まれるといった危険性等が考えられます。例えば制御システムがサイバー攻撃されると、水道や電気といった大規模なインフラの断絶や、工場の生産停止や事故発生といった被害が起こり得ます。今後さらにIoTを進めていくためには、ネットワークにつながるあらゆるモノの安全を守ることが大切になってくるのです。
参考文献
総務省(2015):平成27年度版情報通信白書,pp.294,総務省
小泉耕二(2016):2時間でわかる 図解IoTビジネス入門, あさ出版
(2020年02月27日 更新)
(2016年11月02日 初稿)