クラウドという名前は、コンピュータネットワーク、とりわけインターネットを雲(クラウド)の絵で表現することが多かったことに由来していると考えられます。
一般的には、情報システムは、さまざまな役割を集中的に担うサーバと、利用者が扱うクライアントに分けて考えます。かつてはサーバを「所有」することが多かったのですが、情報システムが大規模化・複雑化するにしたがって、サーバ管理の労力が無視できなくなりました。近年、サーバやネットワークが高速かつ安価になってきたこともあり、特定の事業者がネットワーク上にサーバ群を用意し、他の事業者や個人はそのコンピュータ資源を「利用」する形が一般的になってきました。これがクラウドです。
現在では、スマートフォンやタブレット端末でいつでもどこでもネットワークに接続できるようになっています。アプリをダウンロードしてインストールし、作成したデータをサーバにアップロードする、というような日常的な作業でもクラウドが使われています。
クラウドにより利便性は飛躍的に向上しますが、その反面、情報漏洩リスクも高まりますので、セキュリティ対策がより一層重要になってきています。リスクを回避するために、事業者の閉じたネットワーク上に構築するクラウド(プライベートクラウド)も増えてきました。対してインターネット上で提供されるクラウドはパブリッククラウドと呼ばれます。便利で安全なクラウドは私たちの社会を支える重要な基盤技術と言っても過言ではありません。
(2015年12月02日 初稿)