従来、衛星コンステレーションは、JAXA、NASA、ESAなどの政府宇宙機関が衛星の打ち上げおよび運用を主導してきましたが、近年では低コスト化や打ち上げ技術の進展によって、多くの民間企業も宇宙産業に参入し、衛星コンステレーションの実現を目指しています。
衛星コンステレーションの構築により、地球観測衛星の時間分解能の向上や異なるセンサによる多様な地球観測の実現が期待されています。とくに大規模な災害時には、被災地の迅速な状況把握手段として、多様なセンサによる高頻度の衛星観測は有用です。その際、観測範囲および観測の役割分担等を衛星運用事業者間で連携することが重要となります。
地球観測分野では、ESAのSentinelシリーズや米Planet LabsのDoveが、測位分野ではGPSやGalileoが、それぞれ衛星コンステレーションの代表例です。また、StarlinkやOneWebのように通信衛星コンステレーションが高速インターネット接続を提供し、未接続地域のインフラ整備に貢献する事例もあります。
「コンステレーション」(constellation)という名称は、星座が規則的に配置される様子に由来し、軌道上で連携する衛星の運用形態を象徴しています。
(2025年 5月29日 初稿)