地理空間データの品質

地理空間データの品質には、「定量的な品質情報」と作成目的や方法などから品質を類推できる「非定量的な品質情報」があります。定量的な品質情報には以下の5つがあります。

一つ目は「完全性」です。例えば等高線の計曲線と計曲線との間に本来4本あるべき主曲線が余分にある、または不足するというように、データの過不足の数・割合です。
二つ目は「論理一貫性」です。データの物理的な構造の正しさや、応用スキーマとの整合性などのデータの論理的な正しさです。
三つ目は「位置正確度」です。例えば、データに含まれる座標値と真または真とみなす位置の座標値との誤差のような位置の正しさです。
四つ目は「時間正確度」です。例えば、建物の建築年月日のような地物の時間情報(有効時間)と「真とみなす」値との誤差のような地物の時間属性の正しさです。
最後は「主題正確度」です。例えば、商業ビルが住宅として取得されている、道路の名称に誤った値が記録されている、などの地物の分類の正しさや地物の主題属性の値の正しさです。

空間データの発注者は、論議領域を満たすための要求事項をこれらの定量的な品質情報を使って記述し、製品仕様書に品質要求として示します。地理空間データの作成者は、この品質要求を見て適切な手法を使ってデータを作成します。そして、作成したデータに対して、品質要求に基づく品質評価を行い、その結果をメタデータに記述します。

参考文献
品質の要求,評価及び報告のための規則 Ver.1.0 - 国土地理院

(2017年01月18日 初稿)

English

Quality of Spatial data

定義

地理空間データの品質は、データの利用者の要求事項(議論領域という)と、作成されたデータとの間の差異です。
地理空間データの作成者は、製品仕様書に記載された品質要求に基づき作成したデータの品質評価を行い、作成の際に生じた計測の誤差や誤りの程度を、品質評価結果としてメタデータに記録します。一方、データの利用者は、メタデータに記録された品質評価結果を見て自らの要求事項に対する適合性を判断できます。